URASABAKU
伊豆大島 / 三原山エリア / 裏砂漠
地図上で、日本にたったひとつ。
色彩を削ぎ落とした、漆黒の異惑星へ。
「裏砂漠」の前に立ったとき、誰もがその圧倒的なスケールと異質な光景に息をのむはずです。鳥のさえずりも、木の葉が擦れる音もなく、ただ吹き抜ける強い風の音だけが響く空間。国土地理院が発行する日本の地図において、唯一「砂漠」という名が与えられたこの場所は、私たちが知る日常の景色とは完全に切り離された、地球そのものの剥き出しの姿を見せてくれます。
島の中央にそびえる三原山の東側に広がるこの広大な荒野は、幾度もの大噴火によって降り注いだ漆黒の火山岩(スコリア)や火山灰によって形成されました。ダイナミックな火山のエネルギーが、生命の定着を拒み続けることで維持されているこの景色は、まさに地球が生きているという確かな証拠であり、訪れる者に圧倒的な解放感と、心地よい孤独感を与えてくれます。
風と大地の境界線。
自分の輪郭と向き合う。
一面に広がる漆黒の大地と、その先で交わるどこまでも青い空とのコントラストは、この世のものとは思えないほど美しく、エディトリアルな静寂に満ちています。遮るものが何もない地平線を眺めながら、火山岩を踏みしめる一歩一歩の感覚に集中する――。ここにあるのは、人工的なノイズがすべて削ぎ落とされた、贅沢な「余白の時間」そのものです。
天候や風の強さによって、見せる表情が劇的に変化するのも裏砂漠の魅力です。霧(ガス)に包まれれば一まるでおとぎ話の世界のような幻想的な世界へ、太陽の光が燦々と降り注げば、火山砂がきらきらと輝くダイナミックなステージへと姿を変えます。自然のダイナミズムを五感で受け止めながら歩くこの道は、ただの観光ルートを超えて、自分自身の内面を見つめ直す、特別なリトリートの時間となるでしょう。
旅をスムーズにする、
現地の確かな手引き。
裏砂漠へのアプローチは、いくつかのルートがあります。最も歩きやすく景色が開けていく感動を味わえるのが、大島温泉ホテル近くの「温泉コース(または月と砂漠ライン)」からアクセスするスタイルです。ハイキングコースは整備されていますが、足元はすべて火山岩の砂利道(スコリア)となるため、歩きやすいトレッキングシューズやスニーカーが必須です。
また、風が非常に強く遮るものがないため、ウインドブレーカーなどの防寒具や、砂埃から目を守るためのサングラス、水分補給の準備を整えて向かうのがスマートな歩き方です。
「月と砂漠ライン」から車・徒歩を利用する場合:
元町港から「月と砂漠ライン駐車場」まで車で約25〜30分。駐車場から展望台および裏砂漠の入り口まで徒歩約10〜15分(最も手軽に砂漠の景色に出会えるルートです)。
「温泉コース」からハイキングする場合:
元町港からバスまたは車で大島温泉ホテルへ(約20分)。そこから「温泉コース」のトレッキングルートを歩いて約30〜40分で裏砂漠へ至ります。
住所:
東京都大島町泉津(三原山東麓)
URL:
https://www.tokyo-islands.com/oshima/
滞在目安:
1時間~2時間30分(駐車場からの往復や、砂漠内での散策、展望台での景色を眺める時間を含む)
周辺設備:
周辺にトイレや売店は一切ありません(必ず事前に元町港や三原山頂口、大島温泉ホテル等の施設で済ませてからアプローチしてください)
通信環境:
主要キャリアの電波は場所によって微弱、または圏外になる場合があります(広大な火山地帯のため、事前にマップをダウンロードしておくことをおすすめします)