TOSHIMA
利島
東京から最短2時間25分
巨木の森とイルカが泳ぐ利島
東京・竹芝桟橋から高速ジェット船で約2時間半。
黒潮のただ中に円錐形の美しいシルエットを浮かべる利島は、外周わずか約8キロの、小さくも圧倒的な存在感を放つ島です。
島の約8割を覆うのは、冬になると一斉に赤い花を咲かせる20万本ものヤブツバキの森。
そして一歩海へ飛び出せば、島の周囲には野生のミナミハンドウイルカたちが息づき、深いブルーの海で人間を優しく迎え入れてくれます。
島の人々は古来より、断崖絶壁に囲まれた厳しい自然環境と向き合いながら、日本一の生産量を誇る椿油の文化を大切に守り、育んできました。
過度な観光地化がされず、素朴な島本来の姿が残されたこの場所には、木々のざわめきと波の音、そして自分の内面を見つめ直すための穏やかな時間が流れています。
東京にある「知られざる楽園」の日常を、shima.lifeの視点で紐解いていきます。
絶景・フォトスポット, 国立公園, 星空観測, ダイビング・潜水, ハイキング・登山, 神社仏閣・聖地, 島の暮らし・生業, 動物・生き物の島, グルメ・特産品, 秘境・絶海の孤島
緑の峰から青い海へ
大自然が息づくピラミッドの島
島の中央にそびえる「宮塚山」は、美しい円錐形のフォルムから利島の象徴として愛され、古くからの神事の舞台でもある聖域です。
山肌を埋め尽くす世界最大級の椿の巨木林は、歩くだけで深い生命力に包まれるような神秘的な静寂を湛えています。
一方で、周囲をぐるりと見渡せば、どこまでも青く澄んだ「ドルフィンスイム」の海が広がり、イルカたちと目が合う奇跡の瞬間が待っています。
歴史ある「利島神社」や、星空の美しい「南ヶ山園地」など、限られた土地の中に濃密な自然が凝縮されているのが利島の魅力です。
豊かな黒潮の恵み
大粒の宝物を味わう
荒波に揉まれて育った肉厚な「伊勢海老」や、日本屈指の大きさを誇る「サザエ」、そして春に旬を迎える「タカベ」。利島の食卓を彩る素材には、栄養豊富な黒潮の恩恵がダイレクトに凝縮されており、一口ごとに贅沢な海の活力を与えてくれます。
限られた土地の中で工夫された明日葉の料理や、獲れたての地魚を贅沢に使った島仕込みの味、そして伝統的な家庭料理。 豊かな海と真摯に向き合う人々が繋いできた「本物」の味わいは、島の暮らしが持つ飾らない豊かさを教えてくれます。潮風と共に味わうその一皿は、旅の深い記憶として心に刻まれるはずです。
日本一の歴史を紡ぐ
黄金色の純粋なオイル
利島の代名詞とも言える「利島特産椿油」。完熟して落ちたヤブツバキの種子だけを丁寧に手作業で拾い集め、伝統の製法で絞り出される純度100%のオイルは、日本一の生産量を誇る至高の逸品です。
また、利島ならではの高級食材である大粒のサザエの加工品や、伝統的なカゴ編み細工など、小さな島だからこそ守り抜かれてきた手仕事が今も息づいています。
暮らしの中に寄り添い、使うほどに島の優しさを感じられる品々は、大切な人への贈りものや、自分へのご褒美に最適です。
星空と静寂に抱かれ
島の暮らしを体感する
外洋の波音に包まれた利島での滞在は、飾らない島の日常と深く繋がるための「旅の拠点」となります。 港のそばに佇む温かいおもてなしの民宿を中心に、アットホームな距離感で島独自の温もりに触れられる宿泊施設が揃っています。
都会の明かりが届かない利島の夜は、言葉を失うほどの満天の星空が広がり、明日出会うイルカや巨木の森への期待を静かに膨らませてくれるでしょう。 ゆったりと流れる時間の中で過ごすひと時は、利島をいつしか「ただいまと言いたくなる場所」へと変えてくれるはずです。
世界を巡る椿油と漁業
小さな島独自の経済と挑戦
利島の経済を支えるのは、江戸時代から連綿と続く「伝統的な椿産業」と「豊かな海」です。
島民の多くが何らかの形で椿の栽培に関わっており、高品質なオーガニック椿油の生産は世界的なブランドにも認められる島の主要な産業です。
近年では、高速ネット環境の整備に伴い、リモートワーカーを対象とした独自のワーケーション施策や、ミナミハンドウイルカを対象としたエコツーリズムのガイドなど、新しい働き方を創出する若手の姿も増えています。
「小さな島」でありながら、歴史ある一次産業と現代のクリエイティブが心地よく共生する、独自の経済圏がこの島には存在します。
風が育む椿の森
黒潮がもたらす温暖な日々
黒潮の影響を強く受ける利島は、年間を通じて「夏は比較的涼しく、冬はとても暖かい」海洋性の温和な気候が特徴です。
冬でも雪が降ることは滅多になく、11月から3月にかけては島中でヤブツバキの赤い花が咲き誇り、モノトーンの冬を鮮やかに彩ります。
一方で、外洋の真っ只中にあるため、冬場は非常に強い西風が吹き荒れ、船の就航率に影響を与える「自然の厳しさ」らしい一面も持っています。
年間を通じてダイナミックな風が吹きますが、その風が空気を澄み渡らせ、都心では絶対に見られない奇跡的な天の川を連れてきます。
季節ごとに移ろう風の音を聴きながら、自然のリズムに身をゆだねる暮らしがここにはあります。
アクセスルート
船(高速ジェット船)
発着地東京(竹芝桟橋)、熱海
所要時間東京から最短2時間25分、熱海から最短1時間35分
特徴揺れが少なく快適なハイドロフォイル船で、東京から最もスピーディーにアクセスできます。日帰りの滞在プランも可能です。
注意点冬期は季節風の影響で欠航しやすいため、運航状況の事前確認が必須です。
船(大型客船・夜行便)
発着地東京(竹芝桟橋)
所要時間約7時間35分
特徴夜22時頃に出発し、翌朝に島へ到着する便。船内でゆっくり仮眠をとることで時間を有効に使え、ゆったりとした船旅を楽しめます。
注意点季節や天候によってダイヤが変わるため、事前の確認が必要です。
ヘリコプター(東邦航空・東京愛らんどシャトル)
発着地大島空港、三宅島空港など(伊豆諸島間を連絡)
所要時間大島から約10分
特徴船の就航が難しい強風の日でも、高い就航率を誇る貴重な空の足です。大島で飛行機や船から乗り継ぐルートが一般的です。
注意点定員が9名と非常に少なく、予約が埋まりやすいため早めの確保が必要です。