REGION: KANTO / KANTO NEARSHORE ISLANDS

NIEMONJIMA

仁右衛門島

01 / INTRODUCTION

対岸から手漕ぎ舟で約5分
一人の一族が守り伝える仁右衛門島

房総半島の南端、鴨川市太海(ふとみ)の海岸から、どこか懐かしい木造の手漕ぎ舟に揺られてすぐ。
太平洋にぽつりと浮かぶ仁右衛門島は、島主である「平野仁右衛門」氏の家系が、江戸時代よりも遥か昔から代々一世紀以上にわたり守り続けてきた、全国的にも極めて珍しい私有の孤島です。
島を包み込むのは、南房総の温暖な風が育む四季折々の花々と、太平洋の荒波が心地よく砕ける岩肌。
一歩島内へ足を踏み入れれば、そこはまるで時間が止まったかのようなレトロな散策路が広がり、源頼朝が戦に敗れて隠れ潜んだとされる神聖な洞窟が、深い歴史のロマンを今に伝えています。
島の周囲に巡らされた遊歩道を歩けば、澄み切った海越しに房総の美しい海岸線が見渡せ、初夏には磯遊びの心地よい歓声が響き渡る。
代々の島主は、この小さな楽園の自然と歴史を真摯に守り、訪れる旅人を温かく迎えながら、自然と歴史が美しく調和した唯一無二の暮らしを紡いできました。
日常のすぐ近くにありながら、渡し舟に乗った瞬間に一一気に異世界へとトリップできる圧倒的な情緒。
千葉の海にぽつりと浮かぶ「歴史と伝説の箱庭」を、shima.lifeの視点で紐解いていきます。

絶景・フォトスポット, 歴史・史跡, 神社仏閣・聖地, 島の暮らし・生業, ロケ地巡り, 都市圏から好アクセス, 陸路で渡れる島, グルメ・特産品, 初心者におすすめ

仁右衛門島
仁右衛門島と海
02 / DESTINATIONS

頼朝が身を隠した神聖な洞窟と
島主が代々暮らす薫風の旧資産

島内に一歩足を踏み入れると、コンパクトな空間に驚くほどの歴史が凝縮されていることに気づきます。
島の中心部に佇む「島主の住居」は、宝永年に建て直されたとされる歴史ある木造建築であり、県の指定史跡として当時の重厚な暮らしの面影を今に伝えています。
そこから島の東側の絶壁へと進むと、源頼朝が石橋山の戦いに敗れた際に身を隠し、島主の先祖に助けられたと伝わる「源頼朝隠れ穴」があり、洞窟内に祀られた弁財天の静けさが漂います。
また、島をぐるりと一周する遊歩道の各所には、松尾芭蕉や正岡子規といった名だたる文人たちの句碑が点在し、植物園のように咲き誇るソテツや椿の緑など、文学と大自然が完璧な調和を保っているのが仁右衛門島の魅力です。

サザエのつぼ焼き
03 / LOCAL CUISINE

二丁櫓が繋ぐ太海の磯の香りと
南房総の豪快な「地魚のなめろう」

仁右衛門島の旅を彩る美味は、対岸の太海漁港や鴨川の海で水揚げされる、これ以上ないほど新鮮な獲れたての沿岸魚たちです。 房総の漁師料理の代名詞である、アジやイワシを新鮮なうちに味噌や薬味と叩き上げた「なめろう」や、それを大葉に包んで香ばしく焼いた「さんが焼き」は、一口ごとに磯の香りと職人の知恵を感じさせてくれます。

また、周辺の食事処でいただく大ぶりの金目鯛の煮付けや、サザエのつぼ焼き。 黒潮の恩恵をダイレクトに受けた極上の地魚の刺身の数々は、シンプルだからこそ贅沢な、日本の正しい海のラグジュアリーを教えてくれます。

房州うちわ
04 / CRAFTS & PRODUCTS

房総の太陽が育てた「房州うちわ」と
海の恵みを閉じ込めた自家製の干物

仁右衛門島とその周辺での思い出を自宅に持ち帰るなら、南房総の伝統が息づく手仕事の品々が最適です。
日本三大うちわの一つであり、良質な竹を贅沢に使って職人が一本ずつ仕上げる「房州うちわ」は、使うほどに手に馴染む涼やかな一生ものです。
また、太海の強い潮風で干し上げられた肉厚の「アジの開き」や、地元の伝統的な製法で作られる天然の「房総の塩」は、自宅の食卓を一瞬で海辺の風景へと変えてくれます。
使うたび、味わうたびに、手漕ぎ舟の心地よい揺らぎを思い出させてくれるお土産が揃っています。

仁右衛門島から見た鴨川・太海浜の漁港
05 / ACCOMMODATIONS

対岸の温泉郷に旅の拠点を構え
窓越しに浮かぶ伝説の島を望む

仁右衛門島そのものは無人の私有島(夜間は閉島)となるため、この島を巡る旅では、対岸の太海(ふとみ)海岸や鴨川温泉郷の宿に宿泊することが、最も美しい旅のプロットになります。 海辺に佇むノスタルジックな磯香る漁師民宿から、鴨川の豊かな温泉を湛えたラグジュアリーなリゾートホテルまで、房総の魅力を心ゆくまで味わうための多様な選択肢が揃っています。

夕暮れ時、誰もいなくなった仁右衛門島が波間にぽつりとシルエットを変えていく夜の房総。 宿の窓から島を眺めながら過ごすひと時は、昼間に歩いた頼朝の伝説や手漕ぎ舟の揺らぎを心地よく思い出させ、心に静かな満ち足りた余白を広げてくれるでしょう。 海の呼吸を遠くに聴きながら、明日の房総ドライブへと思いを馳せる特別な滞在がここにあります。

仁右衛門島
06 / WORK & EMIGRATION

一族が繋いできた伝統の観光業と
南房総の豊かな沿岸漁業の生業

仁右衛門島の経済と営みを支えているのは、平野家が代々一族で管理・運営してきた「日本最古のプライベートアイランド観光」と、周囲の豊かな海を舞台にした「沿岸漁業」です。
手漕ぎの木造船で旅人を運ぶ船頭たちの伝統の技や、島内の美しい庭園を維持する手仕事がこの島の唯一無二の産業です。
近年では、鴨川市全体が進めるリモートワーク誘致の波に乗り、対岸のオーシャンビューカフェやリノベーションスペースで仕事をしながら、息抜きに手漕ぎ舟で仁右衛門島へ散策に出かけるという、最先端の「エスケープ・ワークスタイル」を実践するクリエイターの姿も見られます。

07 / CLIMATE & WEATHER

黒潮がもたらす常春の南房総
一年中ハイビスカスが揺れる温暖な島

千葉県の最南部に位置する仁右衛門島周辺は、黒潮(暖流)の影響を強く受ける典型的な温暖海洋性気候であり、冬でも凍えることがない「常春の島」としての顔を持っています。
冬でも氷点下になることはほぼ無く、本州内陸が凍りつく1月や2月であっても、島内では菜の花や椿、さらには珍しい亜熱帯植物が青々と葉を広げ、一足早い春の訪れを告げます。
夏は涼しい海風が吹き抜けるため、都会のような熱がこもる不快感がなく、1年を通じて非常に穏やかで散策しやすい気候が保たれているのが特徴です。

CURRENT WEATHER
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08 / ACCESS TO NIEMONJIMA

アクセスルート

渡船(手漕ぎの二丁櫓木造船)

発着地太海海岸(仁右衛門島渡し場)〜 仁右衛門島

所要時間片道 約5分(随時運行)

特徴島へ上陸する唯一の手段。全国でも今や非常に珍しくなった、昔ながらの木造の手漕ぎ舟に乗って海を渡ります。船頭さんが巧みに櫓を操る心地よい揺れと音は、島旅のプロローグとしてこれ以上ない旅情を誘います。

注意点悪天候や波が高い日は運休となる場合があるため、当日の運行状況の確認がおすすめです。

電車・車(JR内房線 + 徒歩、または車)

発着地東京、横浜、千葉方面 〜 太海駅

所要時間車の場合、東京中心部からアクアライン・館山自動車道を経由し、「君津IC」または「鋸南保田IC」から一般道で太海海岸まで約120分(渡し場近くに駐車場あり)。

電車の視点JR内房線「太海駅」から徒歩約12分で渡し場に到着します。