REGION: KANTO / OGASAWARA ISLANDS

MINAMITORISHIMA

南鳥島

01 / INTRODUCTION

東京から南東へ約1,800km
国境の最前線に浮かぶ、日本最東端の平らな孤島

本州から遥か彼方、東京から約1,800kmも離れた広大な太平洋の真ん中に、ぽつんと浮かぶ三角形の島があります。
日本最東端の地、南鳥島。周囲は約6km、島全体が平坦な珊瑚礁の島であり、民間人が自由に訪れることはおろか、定期的な交通便すら存在しない本物の絶海の孤島です。
一般人の立ち入りが厳しく制限されているのは、この島が観光地ではなく、我が国の排他的経済水域(EEZ)を維持するための重要な「安全保障の要」であり、国家の重大な観測拠点だから。
ここにあるのは、外洋の荒波に囲まれた、白い砂浜と厳しい自然だけが広がる孤高の世界です。
しかし、この極限の環境において、数ヶ月交代で駐在しながら日本の気象観測や安全維持、そして周辺海底に眠る膨大なレアアース資源の研究に挑む、気象庁、自衛隊、海上保安庁、そして最先端の研究者たちがいます。
彼らが紡ぐ24時間体制のストイックな生業と、手つかずの自然が織りなす圧倒的な世界の果ての風景。

星空観測, 動物・生き物の島, 秘境・絶海の孤島, 上陸制限あり

02 / STORY

見渡す限りの大洋の中心で、 日本の「はじまりの朝」と未来を担う人々。

なぜ、南鳥島はこれほどまでに外界から隔絶され、特別に扱われるのか。それは、この小さな三角形の島が、日本の領土・領海を守る上で計り知れない価値を持っているからです。島周辺に広がる広大な排他的経済水域は、日本の国土面積をも凌ぐほどの広さを持ち、近年ではその海底に、世界のハイテクノロジーを支える「超高濃度レアアース泥」が大量に存在することが判明しました。この島はまさに、日本の未来の鍵を握る資源の聖域なのです。
しかし、島での暮らしは厳格そのものです。定住する一般住民はゼロ。島にいるのは、交代制で派遣される国家のプロフェッショナルたちだけです。水や食料、燃料などの物資は、定期的に運ばれてくる補給船や自衛隊の航空機だけが頼りであり、万が一の病気やケガの際も、本土から救難機が飛ぶまでに何時間も要する過酷な環境です。
それでも、ここに立つ人々は強い誇りを持っています。日本で一番早く昇る太陽を浴びながら、台風の動向をいち早く察知するための高層気象観測を行い、周囲の海域に不審な動きがないか監視の目を光らせる。
誰も訪れることのできない、太平洋の孤高の十字路。しかしそこには、静かな使命感を胸に国境を守り、地球のデータを集め続ける人間の情熱と、アジサシなどの海鳥たちが乱舞する圧倒的な大自然の営みが共存しています。南鳥島という「最果ての地」のストーリーは、私たちに、国家を維持することの重みと、それを陰で支える人々の気高さを教えてくれます。

03 / CLIMATE & WEATHER

遮るもののない大洋の真っ只中
強い日差しと貿易風が吹き抜ける熱帯気候

日本で唯一の「熱帯気候」に分類される南鳥島は、年間を通じて平均気温が25度を超える常夏の島です。
標高は最高でも数メートルしかなく、島全体が平坦なため、遮るもののない南国の強い日差しが容赦なく降り注ぎます。
年中吹き付ける強い貿易風が暑さを和らげてくれるものの、ひとたび台風が接近すれば、遮蔽物のない島全体が激しい暴風雨の脅威に直接さらされることになります。
しかし、人工の光が周囲数百キロメートルにわたって完全に存在しないこの島では、夜を迎えると、息をのむほど濃密な天の川と、地平線まで遮るもののない全天の星空が、国境の島を静かに照らし出します。

CURRENT WEATHER
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