REGION: KANTO / IZU ISLANDS

MIKURAJIMA

御蔵島

01 / INTRODUCTION

黒潮のイルカと巨樹の森に囲まれた
優しくも厳しい、東京の秘境

東京・竹芝桟橋から大型夜行客船で約7時間半。
周囲を高さ数百メートルの断崖絶壁に囲まれ、まるでお椀を伏せたような形で太平洋にそびえる島――それが御蔵島です。
この島の一番の魅力は、島の周囲に定住している約100頭以上の野生のミナミハンドウイルカたち。春から秋にかけて、世界中からイルカを愛する人々がキャッチ&リリースならぬ「エコツーリズム」の精神を携えてやってきます。
しかし、御蔵島の真の姿は海だけではありません。島の中央に広がる森には、日本一のシイの巨樹「御代ヶ池(みよがいけ)のシイ」をはじめとする巨木がひしめき、豊かな湧き水が命を育んでいます。
島全体の環境を守るため、観光には独自の厳しいルール(自主ルール)が設けられており、ガイドなしでは森に入ることすら許されません。
手つかずの自然がそのまま残された、不便だからこそ美しい御蔵島の「神秘的な日常」を、shima.lifeの視点で紐解いていきます。

絶景・フォトスポット, 国立公園, 星空観測, ダイビング・潜水, ハイキング・登山, 歴史・史跡, 動物・生き物の島, グルメ・特産品, 秘境・絶海の孤島

御蔵島
子イルカを連れたイルカの群 御蔵島
02 / DESTINATIONS

イルカの微笑みと巨木の生命力
守られ続ける原始の風景

御蔵島の自然は、島の人々の強い意志によって原始の姿を留めています。
海に飛び込めば、好奇心旺盛な野生のイルカたちが目の前まで泳ぎ寄ってくる、奇跡のようなドルフィンスイムが体験できます。
一歩山へ足を踏み入れれば、そこは幹周りが10メートルを超えるような巨樹・巨木が自生する圧倒的な緑の世界。
霧に包まれた幻想的な「御代ヶ池」や、豊かな湧き水が直接海へと流れ落ちる「白滝」など、水と緑が織りなす絶景が広がります。これらのエリアはすべて、島の自然を守る「認定ガイド」の同行が義務付けられており、限られた者だけが体感できる特別な聖域となっています。

釣れた新鮮なカンパチ
03 / LOCAL CUISINE

黒潮の荒波が育む旬と
島人の手から生まれる素朴な馳走

周囲を激しい黒潮に囲まれた御蔵島は、タカベやキンメダイ、カンパチといったイキの良い魚介類の宝庫。漁獲されたばかりの新鮮な魚をシンプルに刺身や煮付けでいただくのが、島の一番のごちそうです。 また、山の恵みであるタキギ(明日葉の一種)や、島独自の気候で育った「御蔵島かぼちゃ」を使った家庭料理も、滋味深い味わい。

流通が天候に左右されやすい島だからこそ、素材そのものの味を大切にした丁寧な料理が並びます。島で唯一の食堂や居酒屋で、地元の焼酎を片手に島民と語らう時間は、旅の最高のスパイスになるでしょう。

つげ櫛
04 / CRAFTS & PRODUCTS

最高級の御蔵島本つげ
職人が繋ぐ伝統の手仕事

御蔵島を代表する特産品といえば、高級和つげの代名詞である「御蔵島本つげ」です。
島の厳しい風雨と乾燥に耐え、ゆっくりと時間をかけて育ったつげの木は、極めて緻密で硬く、美しい黄色を帯びています。これで職人が作る高級な髪櫛(つげ櫛)や将棋の駒、印鑑の印材は、全国の愛好家から最高峰の逸品として珍重されています。
また、イルカをモチーフにした可愛らしい木工品や、御蔵島の豊かな天然水を使ったサイダー、明日葉の加工品など、島の優しさをそのまま持ち帰れる品々が揃っています。

御蔵島のマジックアワー
05 / ACCOMMODATIONS

限られた席を予約して
島のリズムに身をゆだねる

御蔵島への旅は、まず「宿の確保」から始まります。島の環境と受け入れ態勢を維持するため、宿泊先が決まっていない状態での入島は原則禁止されています。 島内にあるのは、島民が温かく迎えてくれるアットホームな民宿や、モダンなバンガロー、数軒の旅館のみ。

観光地化されすぎていないからこそ、夜は本当の静寂と、都会では決して見られない降るような星空に包まれます。 電波やWi-Fiは整備されているものの、ここではあえてデジタルから離れ、波の音や鳥の声に耳を傾ける贅沢な時間を過ごすのがおすすめです。

御蔵島漁港
06 / WORK & EMIGRATION

つげの栽培・漁業・そしてエコツーリズム
自然のサイクルを守る生業

古くから島を支えてきたのは、本つげの伐採・加工と、黒潮を舞台にした漁業です。
そこに近年、野生のイルカとの共生を軸とした「エコツーリズム(ドルフィンスイムガイド)」という新しい産業が加わりました。
御蔵島では、島全体のキャパシティを超えないよう観光客の数をコントロールしているため、大規模なリゾート開発はありません。その代わり、自然のインタープリター(解説者)としてのガイド業や、自然保護活動に関わる仕事が重要な生業となっています。
「自然から奪うのではなく、守りながら共に生きる」という持続可能なワークスタイルが、この小さな島には深く根付いています。

07 / CLIMATE & WEATHER

霧と雨が育む緑の王国
黒潮がもたらす激しくも温かい四季

御蔵島は東京から遥か南に位置し、黒潮の真ん中にあるため、年間を通じて温暖多湿な気候です。
特徴的なのは、その「雨と霧の多さ」。お椀型の地形に湿った海風がぶつかることで雲が発生しやすく、山頂付近は頻繁に深い霧に包まれます。この豊かな雨と霧こそが、島を潤し、巨大な木々や豊かな湧き水を育む源となっています。
また、冬には非常に強い西風が吹き荒れ、船の欠航が続くことも珍しくありません。自然の厳しさと包容力が背中合わせにある気候の中で、島の人々は天候を察知し、自然に逆らわずに暮らす知恵を今も受け継いでいます。

CURRENT WEATHER
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08 / ACCESS TO MIKURAJIMA

アクセスルート

船(大型客船・夜行便「さるびあ丸」)

発着地東京(竹芝桟橋)

所要時間約7時間30分

特徴夜22時頃に出発し、翌朝の6時頃に島に到着します。寝ている間に移動できるため体力的にも楽で、朝一番から島での活動が可能です。

注意点御蔵島は周囲を断崖に囲まれ、港(御蔵島港)が1つしかありません。そのため、伊豆諸島の中で最も就航率(船が接岸できる確率)が低い島として知られています。特に海が荒れる冬場や台風シーズンは、船が着岸できずに通過(欠航)する可能性を考慮する必要があります。

ヘリコプター(東邦航空・東京愛らんどシャトル)

発着地八丈島(約25分)、三宅島(約10分)

所要時間上記の通り

特徴本土からの直行便はありませんが、船の就航率が低い御蔵島において、天候に左右されにくいヘリコプターは非常に確実性の高い移動手段です。八丈島や三宅島を経由して空からアクセスするルートは、確実に入島したいリピーターに重宝されています。

注意点座席数が9席と非常に少ないため、予約開始(1ヶ月前)と同時に満席になることが多く、事前の綿密な計画が必要です。