ESHIMA
江島
米子空港から車で約10分
天空へ続く「ベタ踏み坂」の島、江島
島根県松江市、日本で5番目に大きい湖「中海(なかうみ)」に浮かぶ江島(えしま)。鳥取県境港市側からこの島を望むと、まるで空へと駆け上がるかのような急勾配の橋「江島大橋(通称:ベタ踏み坂)」が圧倒的な存在感で出迎えてくれます。
かつては中海を往来する船のために跳ね橋が使われていたこの島も、今では日本一のPCラーメン橋によって本土とシームレスに繋がり、独自の発展を遂げてきました。お隣の大根島(だいこんしま)と地続きになったこのエリアは、約20万年前の火山活動によって生まれた肥沃な黒土(くろぼく)に恵まれ、世界に誇る「ボタン(牡丹)」や「雲州人参(高麗人参)」の栽培地としても知られています。
汽水湖の穏やかな水面に包まれ、風情ある老舗の味わいや、近年ではクラフトビールやどぶろくを醸す新しい風も吹き込む場所。「橋を渡れば、そこは別世界」。都市の便利さと島ならではの静謐さが心地よく調和する江島の魅力を、shima.lifeの視点で紐解いていきます。
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錯視が魅せる奇景の橋
中海を360度見渡す絶景へ
江島の代名詞である「江島大橋」は、テレビCMをきっかけに「ベタ踏み坂」として一躍世界中に知られるスポットとなりました。遠景から望むその姿はそり立つ壁のようですが、実際に渡れば中海を一望できるパノラマドライブが楽しめます。また、5月や7月の特定の時期には、橋の直線上に美しい朝日が重なる「ダイヤモンド朝日」の奇景を拝めることも。
島内に目を向ければ、独自の品種を多数育てる「江島牡丹園」があり、お隣の大根島にある「由志園」とともに、四季折々の艶やかな花々が訪れる人の目を楽しませてくれます。
湖畔の風を感じ
歴史ある水の都に身を置く
コンパクトな江島そのものには大型ホテルこそ少ないものの、大根島と合わせた一体のエリアとして、水辺の静けさを満喫できるアットホームなゲストハウスや、中海の美しい夕日を望む宿が旅人を温かく迎えてくれます。
また、車を少し走らせれば、山陰屈指の名湯・皆生温泉(米子市)や、歴史ある松江市街地の温泉宿へも容易にアクセスできるのが、江島を拠点とする旅の強みです。都会の喧騒を離れ、夜には中海の穏やかな波音に包まれながら、昼間の「ベタ踏み坂」の興奮を心地よい静寂の中でリセットする、そんな贅沢な時間がここには流れています。
心に刻まれる一皿
潮風と旬を味わう
江島を訪れる食通たちが目指すのは、島内で長年愛され続ける鰻(うなぎ)の名店「うなぎ処 山美世」です。独自の技術でふっくらと焼き上げられた伝統の鰻は、旅の記憶に強く刻まれる至高の一皿。
さらに、周囲を囲む中海は、淡水と海水が混ざり合う汽水湖。ここで獲れる「中海七珍(ちん)」をはじめとする新鮮な魚介類が、島の食文化をより豊かなものにしています。近年では、地元の農産物や湧水を利用したクラフトビールやどぶろくを製造する醸造所も誕生し、伝統の味と新しい感性が五感を満たしてくれます。
300年の情熱が息づく花と
大地が育んだ最高峰の人参
江島・大根島エリアが世界に誇る特産品が、300年以上の歴史を持つ「牡丹(ボタン)」です。現在では300種を超える品種が栽培され、その苗木は日本一の生産量を誇り、海外へも輸出されています。
また、同じくこの地の肥沃な土壌が育む「雲州人参(高麗人参)」は、植え付けから収穫まで6年もの歳月を要する最高級品。連作ができない貴重な作物として、古くから人々の健康を支えてきました。これらを用いたお茶や、牡丹の花びらで染め上げた淡く美しい「牡丹染め」の工芸品などは、大切な人への贈りものとして大変喜ばれています。
伝統農業と先進の工業
陸と海を結ぶハイブリッドな生業
江島の伝統的な産業を支えてきたのは、ボタンや雲州人参を中心とした高度な農業です。しかし、現在の江島はそれだけにとどまりません。「江島大橋」や「中海堤防道路」の開通により陸路のアクセスが劇的に向上したことで、島内には「江島工業団地」が整備され、製造業や工事業、また山陰最大級の総合廃棄物処理プラント(リサイクル工場)などが進出しています。
さらに、近年ではその交通利便性を活かし、伝統的な素材を使った最先端のマイクロブルワリー(醸造所)を立ち上げる若いクリエイターや起業家も増加。「島の情緒」と「都市型ビジネス」が隣り合わせで共生する、全国的にも極めてユニークな経済圏が確立されています。
汽水湖の生態系が教科書
利便性と大自然が同居する学び舎
江島を含む八束町エリアの子どもたちは、日本有数の汽水湖である「中海」や、約20万年前の火山活動の痕跡(近隣の溶岩トンネルなど)に囲まれ、日常的に生きた科学や地理を学ぶ環境にあります。島内には、地域の人々の温かい目に見守られた少人数ならではの手厚い教育環境が整っています。
さらに、江島は鳥取県境港市や松江市中心部の進学校・専門教育機関へも車やバスでスムーズに通学できる利便性を兼ね備えています。「豊かな大自然に抱かれながらのびのびと感性を育みつつ、将来の選択肢を狭めない都市型の教育アクセスも確保する」という、移住ファミリー層にとって理想的な教育環境がここにあります。
四季折々の水面が映す
日本海側ならではの情緒ある気候
江島は日本海側特有の気候に属しており、四季の移り変わりが非常に美しいのが特徴です。春には島を埋め尽くす牡丹や桜が咲き誇り、夏には中海を渡る涼やかな湖風が島を通り抜けます。冬には山陰地方らしい雪景色が見られる日もあり、雪化粧をまとった「江島大橋」の凛とした姿は息をのむほどの美しさです。
中海という巨大な水塊に囲まれているため、内陸部に比べると急激な気温の変化が比較的和らぐという特徴もあります。刻一刻と変化する中海の水面と、情緒豊かな空の色を眺めながら、移ろう季節を五感で楽しむ暮らしがここにはあります。
アクセスルート
車・陸路(鳥取・境港方面から)
発着地鳥取県境港市(米子鬼太郎空港周辺)
所要時間米子鬼太郎空港から車で約10〜15分
特徴有名な「江島大橋(ベタ踏み坂)」を渡るルートです。空港からのアクセスが非常に良く、遠方から飛行機で訪れる際もストレスなく島に入ることができます。
車・陸路(島根・松江方面から)
発着地島根県松江市中心部(松江駅など)
所要時間JR松江駅から車で約30〜40分
特徴中海を横断する「中海堤防道路」を経由し、大根島を通って江島へ入るルートです。左右に中海の水景色を眺めながらの快適な湖上ドライブが楽しめます。
公共交通機関(路線バス)
発着地JR松江駅、またはJR境港駅
所要時間松江駅・境港駅からそれぞれ松江市コミュニティバス等でアクセス可能
特徴本数は限られますが、車を持たない方でも松江市街やゲゲゲの鬼太郎で有名な境港の観光地と結ばれており、のんびりとした旅情を楽しめます。