REGION: KANTO / IZU ISLANDS

AOGASHIMA

青ヶ島

01 / INTRODUCTION

上陸確率は運次第
世界が憧れる二重カルデラの孤島

東京から南へ約358キロメートル、伊豆諸島の有人島としては最南端に位置する青ヶ島。
周囲を高さ200メートル以上の切り立った断崖絶壁に囲まれ、海から突き出た要塞のような外観を持つこの島は、世界でも極めて珍しい「二重カルデラ(外輪山の中にさらに火山がある地形)」で知られています。
その息をのむほど美しい景観は、海外メディアで「死ぬまでに訪れるべき世界の絶景」として紹介され、世界中の旅人を魅了し続けています。
島に暮らすのは、日本で最も人口が少ない自治体「青ヶ島村」の約160人の人々。
「ひんぎゃ」と呼ばれる火山特有の豊かな地熱を暮らしのエネルギーに変え、限られた資源と広大な太平洋に寄り添いながら、家族のようにお互いを支え合う温かなコミュニティが維持されています。
気象条件によって船の就航率が極めて低く、「選ばれた人しか辿り着けない」と言われる東京の究極の秘境。

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青ヶ島
池之沢5
02 / DESTINATIONS

地球の造形美を体感する
内輪山「丸山」と星降る夜

島そのものが巨大な活火山であり、どこを切り取っても地球の鼓動が聞こえてきます。
外輪山の最高峰「大凸部(おおとんぶ)」から見下ろす景色は圧巻の一言。外側の古いカルデラ壁の中に、1785年の大噴火で形成された美しい内輪山「丸山」がすっぽりと収まる、文字通りの「二重カルデラ」を遮るものなく一望できます。
また、集落以外に明かりがほとんどない青ヶ島の夜は、まさに天然のプラネタリウム。天の川がくっきりと夜空を跨ぎ、宇宙の中にぽつんと佇んでいるかのような、圧倒的な没入感と静寂を味わえます。

ひんぎゃ 地熱窯
03 / LOCAL CUISINE

地熱「ひんぎゃ」で蒸し上げる
大地のパワーをいただくごちそう

青ヶ島の食を語る上で欠かせないのが、火山ガスが噴き出す地熱地帯「ひんぎゃ」です。 池之沢地区には誰でも利用できる無料の「ひんぎゃの地熱蒸し器」があり、島で採れたサツマイモや卵、新鮮な魚、明日葉などをカゴに入れて数十分蒸すだけで、素材の旨味が極限まで引き出された最高の料理が完成します。

また、黒潮の恵みであるカンパチやカツオを、島特産の「ひんぎゃの塩」やピリ辛の島唐辛子で和えた料理は、島の夜を彩る定番メニュー。シンプルながらも地球のエネルギーをダイレクトに感じる豊かな食卓が、旅人の心とお腹を満たしてくれます。

青ヶ島製塩事業所 池之沢工場
04 / CRAFTS & PRODUCTS

黒潮から生まれる奇跡の塩と
手に入らない幻の芋焼酎「青酎」

青ヶ島の名を全国に知らしめているのが、幻の芋焼酎「青酎(あおちゅう)」です。
島内いくつかの杜氏が、島産のサツマイモと麦麹(あるいは大麦)を使い、昔ながらの自然酵母による伝統製法で仕込むため、一本一本に造り手の個性が光る、独特で芳醇な香りが特徴。生産量が極めて少なく、本土では入手困難な逸品です。
また、地熱「ひんぎゃ」を利用して、黒潮の海水を13〜14日間かけてじっくりと結晶化させた純国産生海塩「ひんぎゃの塩」も有名。まろやかで甘みがあり、料理の味を引き立てるお土産として絶大な人気を誇っています。

青ヶ島の風景
05 / ACCOMMODATIONS

宿泊予約は上陸の絶対条件
島民の暮らしにお邪魔する

青ヶ島には大型のホテルやリゾート施設は一切ありません。数軒の家庭的な民宿と、カルデラの内部(池之沢地区)にあるキャンプ場があるのみです。 御蔵島と同様、島のインフラと安全を守るため、宿泊先が未定のまま入島することは禁止されています。

民宿での滞在は、まるで島の一家族として迎え入れられたかのような温かさに満ちています。 限られた部屋数だからこそ、オーナーや他の旅人との距離が近く、夜には島独自の文化や歴史について語り合う特別なひと時が流れます。島のルールをリスペクトし、不便さを楽しむ心を持って過ごす場所です。

青ヶ島の空飛ぶ船
06 / WORK & EMIGRATION

塩づくり・杜氏・そしてインフラ
少人数で島を回す、マルチワークの暮らし

日本一人口の少ない村である青ヶ島では、一人が複数の役割(マルチワーカー)を持って島を支えています。
伝統的な「青酎」の醸造や「ひんぎゃの塩」の製造といった特産品づくりを本業や副業としながら、農業や漁業、あるいは村役場の仕事や、険しい道路・港湾の維持管理といったインフラに関わる仕事に従事しています。
近年では、高速インターネットの開通によって、この絶海の孤島からリモートワークを行う試みも始まっていますが、大規模な観光化を目指さない島だからこそ、「自分たちの手で島を維持し、次世代に繋ぐ」という、強い誇りと責任感に満ちた生業の姿がここにあります。

07 / CLIMATE & WEATHER

黒潮の直撃を受ける温暖な気候と
船を寄せ付けない猛烈な風

八丈島よりもさらに南に位置するため、年間を通じて温暖で、亜熱帯に近い海洋性気候です。冬でも凍えるような寒さはなく、過ごしやすい気候が特徴です。
しかし、周囲に遮るもののない絶海の孤島であるため、年間を通じて非常に強い風が吹き抜けます。
特に冬場の西風や、夏から秋にかけての台風シーズンには、波の高さが数メートルを超える日が続き、島全体が自然の荒波の中に孤立することも珍しくありません。この厳しい気候があるからこそ、島の人々は天の恵みに感謝し、自然のサイクルに逆らわない、しなやかな強さを持って暮らしています。

CURRENT WEATHER
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08 / ACCESS TO AOGASHIMA

アクセスルート

船(連絡船「あおがしま丸」)

発着地八丈島(底土港または八重根港)

所要時間約3時間(週4〜5日運航)

特徴八丈島を経由して青ヶ島へ渡る唯一の海上ルートです。

注意点青ヶ島港(三宝港)は断崖絶壁に造られた非常に簡素な港であり、外洋の荒波をダイレクトに受けるため、就航率が約50〜60%(冬場はそれ以下)と極めて低いことで有名です。船が島に近づいても接岸できずに八丈島へ引き返すケースが日常茶飯事のため、スケジュールには数日単位の圧倒的な余裕が必要です。

ヘリコプター(東邦航空・東京愛らんどシャトル)

発着地八丈島(八丈島空港)

所要時間約20分(1日1往復)

特徴船に比べて天候の影響を受けにくく、就航率が圧倒的に高いため、島民や確実に入島したい旅行者にとって最大の命綱となっています。わずか20分のフライトで、上空から二重カルデラの全貌を眺めることができます。

注意点座席数が「9席」しかなく、予約は1ヶ月前の同一運航日からスタートしますが、瞬時に満席になります。ヘリコプターの予約が取れなければ、青ヶ島への旅のハードルは一気に跳ね上がります。